浸透した「自分を捨てる」意識 横浜が3年ぶり19度目の夏の甲子園出場



先発・杉山 遙希(横浜)

 「まだまだこれからですが、本当にやっと一歩も踏み出せたなという感じで。選手たちも本当に苦しんでたので、彼らの涙もそうですけれども、私も自然と涙が出てきました」

 横浜が圧倒的な強さを見せて、2019年選抜以来、夏は2018年の100回大会以来の甲子園出場を決めた。

 初回に相手のミスから先制点を挙げた横浜は、2回にも1番・緒方 漣選手(1年)の右前適時打、3番・金井 慎之介選手(3年)の右前適時打で追加点を挙げ、試合の主導権を握る。
 3回にも1点を追加した横浜は、4回には5本の適時打を浴びせて一挙7得点。
 5回にも追加点を挙げた横浜は、前半の5回だけで大量15得点を奪い、リードを大きく広げることに成功する。

 「昨年、横浜高校に来てから、ボールの内側を叩くだったり、ゴロを打つだったりを教え込みました。来た時は遠くに飛ばす技術しかなかったので、それでは絶対無理だと思いました。私もキャッチャーだったので、簡単に抑えられるなと思った訳です」

 村田監督は試合後、監督就任後の打撃改革について、飛ばすだけではない「自分を捨てる」打撃の重要性を選手たちに教え込んできたことを振り返る。
 この試合ではもちろん、今大会を通して、選手たちはコンパクトにコースに逆らわずにバットを振り抜く姿が印象的だった。今大会では、7試合で何と94得点。村田イズムの浸透が数字にしっかりと表れたと言えよう。

 投げては先発に抜擢された1年生左腕・杉山 遙希投手が、安定した投球でゲームを作る。
 キレのある直球をコーナーに丁寧に投げ分け、またスライダー、チェンジアップといった変化球も低めに丁寧に突いていった。


得点を挙げる横浜

 7回には、横浜創学館の4番・長井 俊輔選手(3年)にソロ本塁打を浴び、また8回には3番・岡本 翼選手(3年)の中前適時打などで2点を失ったが、大崩れすること無く横浜創学館打線を抑えた。

 横浜は8回にも追加点を挙げ、9回二死からはドラフト候補の金井 慎之介投手(3年)がマウンドに登り、最後のバッターを打ち取った。24安打17得点と圧倒的な力を見せて勝利し、3年ぶりの夏の神奈川の頂点に立った。

 「大会では選手たちに、4つの山を登ろうと話してきました。一回下山をしてから、もう一度地に足つけて甲子園でどのようにやっていくか確認していきたいと思います。もちろん目標は全国制覇だし、そこはぶれないのですが、その持って行き方も、もう一度しっかり決めてやっていきたいなと思います」

 再建、復活を遂げた横浜高校だが、ここはあくまで通過点。
 全国制覇を目指した、新たな挑戦がここから始まる。

(文=栗崎 祐太朗)

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